こんにちは。team C# の花元が今回担当します。CPU 実験というタイトルではありますが今回は CPU 実験にいたるまでの過程を書きたいと思います。
東大理情というと geek(凄い人)たちが跋扈しているというイメージがありますが(実際に半分ぐらいは合っています)僕は全くの初心者の状態で理情に入ってきました。専門課程が始まる前に先輩たちによる理情内定者の歓迎会があったのですが、そこで先輩に「好きなシェルは?」と聞かれて答えに窮したのを覚えています。(ちなみに簡単に言うとシェルとはプログラムを動かすためのプログラムのことです。)
さて、僕のような初心者(大体学科の 1/3 はほぼ初心者で入ってくるようです)が理情に入るとどうなるかというと、1 年で CPU を作れるまでの知識を身につけさせるために出される大量の課題に圧倒されます。さらに問題なのが「情報が少ない」
例えば、3 年夏学期にやるプログラミング言語に「LiLFeS」という言語があります。これは東大の研究室で研究用に開発された言語で恐らく理情出身の人しか知らない言語です。運の悪いことにこの言語は非常に癖が強く思ったとおりの挙動をしてくれません。ところが google で検索しても欲しい情報が全く出てこないのです。情報科学科に内定した学生がCPU実験までに学ぶ言語は C,Scheme,LiLFes,VHDL,OCaml ですが十分に情報があるのは C 言語ぐらいなものです。逆に言えば全くの初心者でも大きな disadvantage がある言語も C 言語ぐらいなので、僕は他の言語(主に LiLFeS)を頑張って C 言語は他の人にひたすら教えてもらうという作戦に出ました。先ほどあげた 5 つの言語ですがそれぞれ手続き型言語、関数型言語、論理型言語、ハードウェア記述言語と毛色が大きく違い、人によって得意不得意が出てくるので膨大な課題をこなすためにお互い得意な言語を教えあうという文化が自然と出来上がっていました。大学もそれを期待してこのようなカリキュラムにしているようです。
とまあ全くの初心者でも CPU 実験までの 1 年間で実験に対応できるだけの知識が(半ば強引に)手に入るようなカリキュラムになっています。そして後輩たちの歓迎会を開き、こう言うのです。「好きなシェルは?」なぜなら彼らもまた特別な存在だからです。
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